借金減額診断

TikTokで見かける「無料借金減額診断」で借金をゼロにできる?

最近、TikTokやX(旧Twitter)などで見かける借金の「無料減額診断」。

あれを見ていると無料で借金を減額できる、あるいは無料で借金をゼロにできる誤解する人が出てくるのでは?とちょっとだけ心配になります。

最初にお伝えしておきますと、「無料借金減額診断」というのは「借金を減額するための初期相談やアドバイスを無料で受けられるサービス」のことです。その「診断が無料」であるというだけで、実際に借金を減額するためには、あるいは借金をゼロにするためには当然のことですが費用がかかります。無料ではありません。

借金減額にかかる費用はいくらくらい?

では、借金を減額するには、あるいは借金をゼロにするにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。その前にその「無料借金減額診断」では何が行われるのかを簡単に説明したいと思います。

それはどの手続を選択するかによって変わってきます。

借金の減額には次の3つの手続方法があります。

  1. 過払い金返還請求・・・払い過ぎた利息を取り戻すので結果的に借金が減る。
  2. 任意整理・・・債権者との話し合いによって、返済条件を見直し、月々の返済額を減らす方法。
  3. 個人再生・・・裁判所を通じて借金を大幅に減額し、残額を分割返済する方法です。住宅ローン特則を利用すれば、家を守りながら手続きが可能。

また、借金をゼロにする方法としては「自己破産」があります。

上記の4つの方法のうち、どの方法を使うのが最善なのかを診断してくれるのが「無料の借金減額診断」ということです。借金減額診断には次のサービスが含まれています。

  1. 現状分析借金の総額、返済状況、収入や支出のバランスなどを分析し、借金減額の可能性を判断します。
  2. 減額方法の提案:債務整理(任意整理、個人再生、自己破産など)の中から、最適な方法を提案します。
  3. 法律相談:弁護士や司法書士などの専門家による法律相談が無料で行われ、具体的な手続きや注意点について説明を受けられます。

費用はいくらかかるのか

上記の減額手続を行える専門家は司法書士と弁護士です(詳しくは「【任意整理】司法書士と弁護士、どっちに依頼したらいい?」の記事、「個人再生は司法書士と弁護士、どっちに依頼したらいい?」をお読みください)。

ざっくりとですが・・・

以下に、過払い金返還請求、任意整理、個人再生、自己破産を司法書士と弁護士に依頼した場合のおおよその費用を表にまとめます。ただし、費用は事務所や地域によって異なる場合がありますので、具体的な金額については直接確認することをお勧めします。

 

手続費用の比較

手続き 司法書士の費用 (円) 弁護士の費用 (円)
過払い金返還請求 1社あたり5,000円~20,000円+成功報酬 10%~20% 1社あたり20,000円~50,000円+成功報酬 20%~25%
任意整理 1社あたり20,000円~50,000円 1社あたり40,000円~50,000円+減額成功報酬 10%~20%
個人再生 300,000円~500,000円 400,000円~600,000円
自己破産 200,000円~300,000円 300,000円~500,000円

 

詳細説明

1. 過払い金返還請求
司法書士:基本報酬は1社あたり5,000円~20,000円程度で、成功報酬として返還額の10%~20%が加算されます。
弁護士:基本報酬は1社あたり20,000円~50,000円程度で、成功報酬として返還額の20%~25%が一般的です。

2. 任意整理
司法書士:1社あたり20,000円~50,000円程度の費用がかかります。
弁護士:1社あたり40,000円~50,000円の基本報酬に加え、減額成功報酬として減額額の10%~20%が発生することがあります。

3. 個人再生
司法書士:全体で300,000円~500,000円程度の費用がかかります。ただし、司法書士は個人再生の代理人としての業務は制限があるため、弁護士を必要とする場合もあります。
弁護士:400,000円~600,000円程度の費用がかかります。

4. 自己破産
司法書士:200,000円~300,000円程度の費用がかかります。
弁護士:300,000円~500,000円程度の費用がかかります。

  • 費用には基本報酬と成功報酬が含まれます。成功報酬は、結果に応じて支払う費用です。
  • 金額はあくまで目安であり、具体的な費用は各事務所に確認する必要があります。
  • 分割払いが可能な場合もあるので、相談時に確認すると良いでしょう。

各手続きの詳細なプロセスや費用については、信頼できる司法書士や弁護士に直接問い合わせて、見積もりを取得することをお勧めします。

  • この記事を書いた人

マサ(行政書士・FP)

現役の行政書士・FP(ファイナンシャルプランナー)、そして恥ずかしながら元 司法書士受験生です。病気のために働けなくなり、債務整理をした経験を持っています。 今の世の中、誰もがそんな経験をするかもしれない・・・私の経験がそういう方々のお役に立てたらうれしいです。

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