自己破産

官報で自己破産者の名前を探せる?調査方法と名簿掲載期間を詳細解説

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「自己破産をすると職業や資格に制限がかかるって本当?」

「借金を早く解消したいけれど、仕事まで失ったらどうしよう…」

そんなふうに心配される方も多いようです。

確かに自己破産をすると、特定の職業や資格に制限がかかることがあり、一時的に資格を失ったり、職業に就けなくなったりすることがあります。

ちなみに、私の本業は行政書士です。行政書士は自己破産をすると「欠格事由」に該当し行政書士の資格を失います。「行政書士法」という法律に次のようにあります。

行政書士法
(欠格事由)
第二条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、前条の規定にかかわらず、行政書士となる資格を有しない。
一 未成年者
二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

 

行政書士の場合、「行政書士会」が定期的に官報のチェックをしていますので、行政書士が自己破産するとバレます。おそらく他の士業も同じではないでしょうか。

でも、多くの場合は自己破産の手続きが終了すると同時に「復権」し、元のように仕事を続けることが可能です。

ただし、復権までに時間がかかることや、解雇されるケースも完全にないわけではありません。制限がかかる資格や職業、復権のために必要な条件について、以下で詳しく解説します。

自己破産により制限がかかる資格や職業は?

裁判所に自己破産を申し立て、破産手続開始決定が出されると、債務者は「破産者」として扱われます。この「破産者」は、新たに資格を取得することができず、すでに持っている資格も一時的に取り消されます。そのため、一定期間は他人の財産や秘密を扱う職業に就くことができません。

なお、これらの制限は「破産法」ではなく、それぞれの職業や資格に関する法律に基づいています。自己破産により資格制限がかかる主な職業は以下の通りです。

主な制限職業

  • 行政書士(行政書士法第2条の2)
  • 宅地建物取引士(宅地建物取引業法第18条)
  • 不動産鑑定士(不動産の鑑定評価に関する法律第16条)
  • 司法書士(司法書士法第5条)
  • 社会保険労務士(社会保険労務士法第5条)
  • 税理士(税理士法第4条)
  • 公認会計士(公認会計士法第4条)
  • 弁護士(弁護士法第7条)
  • 公証人(公証人法第14条)
  • 生命保険外交員(募集人)(保険業法第279条、第307条)

これら他人の秘密や財産に関わる資格、職業は制限されます。他にも、

  • 貸金業の登録(貸金業法律第6条)
  • 警備員(警備業法第14条)
  • 警備業者(警備業法第3条)
  • 質屋営業の許可(質屋営業法第3条)

といった職業も制限されます。ただし、資格の登録はいったん取り消されますが、取得した資格自体が失われるわけではないので再度試験を受ける必要はありません。自己破産の手続きが終われば再度登録申請が可能です。

また下記の職業に就いている場合は、解任されることになるでしょう。

  • 教育委員会の委員(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条、第9条)
  • 銀行の取締役・執行役・監査役(銀行法第7条の2)
  • 公安審査委員会の委員長および委員(公安審査委員会設置法第7条、第8条)
  • 公正取引委員会の委員長および委員(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第31条)
  • 国家公安委員会の委員(警察法第7条)
  • 商工会議所の会員(商工会議所法第15条)
  • 信用金庫等の役員(信用金庫法第17条)
  • 日本銀行の役員(理事を除く)(日本銀行法第25条)

 

自己破産しても仕事に影響がない資格は?

逆に、自己破産しても仕事や職業には影響がない資格もあります。下記の職業です。

医療系の仕事、教員、一般の公務員については資格制限の対象にならないため、自己破産後も継続して働くことが可能です。また、企業の一般社員は役員と違って制限を受けないため、引き続き勤務を続けることができます。

継続可能な職業

  • 医療系の仕事
    • 医師、看護師、薬剤師などの医療関連の職業は自己破産による資格制限の対象外です。そのため、自己破産後も業務を続けることができます。
  • 教員
    • 小学校、中学校、高校などの教員も資格制限の対象にはならないため、自己破産後も教職に従事することが可能です。
  • 一般の公務員
    • 役職によっては制限を受ける場合もありますが、一般の公務員については自己破産後も職務を継続することができます。
  • 企業の一般社員
    • 企業の一般社員は役員とは異なり、自己破産による資格制限の対象外です。そのため、自己破産後も通常の勤務を続けることができます。

これらの職業については、自己破産による影響を受けずに仕事を続けることができますので、安心して業務に従事することが可能です。

自己破産したら官報に掲載されて身内や回りの人にバレる?

でも、自己破産したら官報に掲載されるから身内や回りの人にバレてしまうのでは…それが心配・・・

官報に掲載される以上は、そのリスクがまったくないわけではありません。でもどうでしょう? あなたはこれまでに官報を見たことがありますか? 私は官報なんてみたことがありません。当然、誰が自己破産したのか?なんてまったくわかりません。

新聞のお悔やみ欄のように誰にでもすぐに見つけられてしまうというものではなさそうです。

官報とは

官報は、国が発行するする唯一の機関紙で、法律や政令、国の機関としての報告、法令の規定に基づく各種公告等を掲載しています。法律、条約や政令等は、官報に掲載されることで「公布」されたこととなり、法的な効力が発生することとなっています。

〜全国官報販売協同組合公式サイトより引用

その中には、自己破産や個人再生に関する情報も掲載されます。官報は行政機関の休日を除き、毎日発行されています。紙媒体の官報を定期購読する場合、1ヶ月 3,841円(本体 1,520円+消費税121円+送料2,200円)が購読料としてかかります。

本体より送料のほうが高いんですね。

官報にはいつ掲載される?何が掲載される?

いつ掲載?

自己破産の場合、官報には「破産手続の開始決定が出た後」と「免責許可決定が出た後」の2回掲載されます。ただし、免責許可と手続きの廃止時期が異なる場合には、官報に3回掲載されることがあります。

何が掲載?

官報には破産の手続をしたという事実と、破産者の名前・住所などが掲載されます。ただし、インターネット版官報の無料版に掲載されている個人情報は検索対象外となっているため、名前で検索されることはありません。

有料版ではキーワード検索が可能ですが、名誉毀損やプライバシー侵害となる行為は利用規約で禁止されています。そのため、官報の情報を見た人が故意に他人の個人情報を広める可能性は非常に低いと言えるでしょう。

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まとめ

自己破産をしたら官報に掲載されるとしても、普通は回りにバレる心配は非常に少ないと言えます。

ただし、破産が資格に影響がある一部の職業に関してはチェックされていますし、自分から申告をしなければならないということを考えますと、自己破産以外の方法で債務整理をすることも検討したほうが良いかもしれません。

  • この記事を書いた人

マサ(行政書士・FP)

現役の行政書士・FP(ファイナンシャルプランナー)、そして恥ずかしながら元 司法書士受験生です。病気のために働けなくなり、債務整理をした経験を持っています。 今の世の中、誰もがそんな経験をするかもしれない・・・私の経験がそういう方々のお役に立てたらうれしいです。

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