クレジットカードを使った買い物で「ショッピングリボ払い」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。便利なのですでに利用しているという方も多いかもしれません。
でも、その仕組みや特徴について詳しく理解している方は意外と少ないんです。この記事では、ショッピングリボ払いの基本についてわかりやすく解説します。
ショッピングリボ払いの仕組み
ショッピングリボ払いとは、クレジットカードで購入した商品の代金を毎月一定の額で分割して支払う方法のことです。一般的な一括払いとは異なり、支払い額が大きくても毎月の返済額が一定になるため、家計の管理がしやすいという特徴があります。
例えば、10万円のテレビをクレジットカードで購入し、リボ払いを設定した場合、毎月一定額(例えば1万円)を返済していく形になります。この際、リボ払い特有の手数料(利息)が加算されるため、総支払額は一括払いよりも多くなることが一般的です。
ショッピングリボ払いのメリット
ショッピングリボ払いには、計画的に支払いを行いたい方や急な出費に対応したい方にとって有利な点がいくつかあります。以下では、そのメリットを具体的な例を挙げて説明します。
1. 毎月の支払い額が一定
リボ払いの最大のメリットと言えるのが「毎月の支払い額を一定にできる」という点です。例えで説明してみますね。
田中さんは、新しい洗濯機(価格10万円)をクレジットカードで購入しました。一括払いだと、翌月に10万円を一度に支払う必要がありますが、ショッピングリボ払いを利用することで、毎月1万円ずつ支払うことができます。
このように、毎月の支払い額が一定であれば、家計の管理がしやすくなり、他の支出とバランスを取りながら返済を進めることができます。
2. 急な出費に対応しやすい
2つ目のメリットは「急な出費に対応しやすい」という点です。これも例で説明します。
佐藤さんは、急にパソコンが壊れてしまい、新しいパソコンを購入する必要がありました。価格は15万円ですが、一括で支払う余裕はありませんでした。そこで、ショッピングリボ払いを利用して毎月1.5万円ずつ支払うことにしました。
この方法なら、急な出費に対しても対応しやすく、他の生活費を圧迫することなく新しいパソコンを手に入れることができます。
3. 予算管理がしやすい
3つ目のメリットは「予算管理がしやすい」という点です。
鈴木さんは毎月の支出を細かく管理していますが、旅行やイベントなどでどうしても予算オーバーしてしまうことがあります。リボ払いを利用することで、旅行代金やイベント費用などの高額出費を一定額で分割して支払うことができるため、予算をオーバーすることなく計画的に支払いを進めることができます。
4. 金融機関やカード会社による特典
そして、4つ目のメリットは「金融機関やカード会社による特典」です。
山本さんが利用しているクレジットカード会社は、リボ払い利用者に対してポイント還元率を通常の1.5倍にするキャンペーンを行っています。山本さんはこの特典を利用してリボ払いを設定し、普段より多くのポイントを獲得しました。そのポイントを使って、日用品やギフトカードなどを購入することができました。
このようにショッピングリボ払いのメリットは、毎月の支払いを一定に保つことで家計管理がしやすくなる点や、急な出費に対応できる柔軟性などが挙げられます。計画的に利用することで、無理なく支払いを進めることができるでしょう。
ショッピングリボ払いのデメリット
では次にショッピングリボ払いのデメリットについて説明していきます。
ショッピングリボ払いは、計画的な支払いが可能で急な出費にも対応しやすいというメリットがありますが、利用する際には注意が必要なデメリットも存在します。ここでは、ショッピングリボ払いのデメリットについて詳しく説明します。
1. 高額な手数料(利息)
ショッピングリボ払いの最大のデメリットは、高額な手数料(利息)が発生することです。リボ払いは元本に対して利息がかかるため、支払いが長期化すると総支払額が大きく増えることになります。
先程の、冷蔵庫が壊れて10万円の冷蔵庫を購入した田中さんの例で考えてみましょう。
田中さんは10万円の商品をリボ払いで購入し、毎月1万円ずつ返済するとします。年利15%の手数料がかかる場合、最終的な総支払額は元本の10万円に加えて約1万5千円の利息が加算され、合計で11万5千円を支払うことになります。
つまりリボ払いで支払うことにより、1万5千円も余分に支払うことになるんです。これは一括払いに比べて高額な出費となります。
デメリット
- 高額な手数料により、総支払額が大幅に増加する。
- 長期的な返済計画が必要で、利息負担が大きくなる。
2. 返済期間が長期化しやすい
毎月の支払い額が一定であるため、元本がなかなか減らず返済期間が長期化しやすいというデメリットもあります。これにより、長期間にわたり支払いが続くことになり、経済的な負担が増します。
田中さんがリボ払いで20万円の商品を購入し、毎月2万円ずつ返済している場合、元本の返済に加えて利息がかかるため、完済までに1年以上かかることになります。この間にさらにリボ払いを利用すると、返済期間がさらに延びる可能性があります。
デメリット
- 返済期間が長期化し、元本がなかなか減らない。
- 長期的な支払いが家計に圧迫を与える可能性がある。
3. 返済計画の見通しが立てにくい
リボ払いを利用すると、毎月の支払い額は一定ですが、返済総額や完済までの期間の見通しが立てにくくなります。特に複数のリボ払いを利用している場合、返済管理が複雑になることがあります。
山本さんが3つのリボ払いを利用している場合、毎月の返済額は一定ですが、それぞれの利息や返済期間が異なるため、総支払額や完済までの見通しが難しくなります。このため、返済計画が立てにくく、無駄な利息支払いが増える可能性があります。
デメリット
- 返済総額や完済期間の見通しが立てにくい。
- 複数のリボ払い利用で返済管理が複雑になる。
4. クレジットカードの利用限度額が圧迫される
リボ払いを利用すると、クレジットカードの利用限度額が圧迫されることがあります。これは、新たな買い物をする際に支障をきたすことがあります。
鈴木さんがクレジットカードの限度額50万円のうち、リボ払いで30万円を利用している場合、新たに20万円以上の買い物ができなくなります。これにより、急な出費が必要になった際にカードの利用が制限されることになります。
デメリット
- 利用限度額が圧迫され、新たな買い物がしにくくなる。
- 急な出費や大きな買い物に対応できなくなる可能性がある。
ショッピングリボ払いは便利な支払い方法ですが、手数料の負担や返済期間の長期化など、注意すべきデメリットもあります。これらのデメリットを理解し、計画的に利用することが重要です。リボ払いを利用する際は、自分の返済能力をしっかりと把握し、無理のない範囲で活用しましょう。
リボ払いと一括払いの違い
では、リボ払いについての上記メリットとデメリットを踏まえて、リボ払いと一括払いの違いを比較し、それぞれの特徴を解説していきたいと思います。クレジットカードを使う際、支払い方法として一般的に選ばれるのが「リボ払い」と「一括払い」です。
これらの支払い方法にはそれぞれ特徴があり、利用者のニーズや状況に応じて使い分けることが大切です。この記事では、リボ払いと一括払いの違いについて詳しく解説します。
一括払いとは?
一括払いは、言わずもがなクレジットカードで購入した代金を翌月に一度に全額支払う方法です。最もシンプルで手数料や利息が発生しないため、無駄なコストをかけずに利用できます。
田中さんがクレジットカードで3万円のバッグを購入した場合、翌月の支払い日に3万円を一括で支払います。これにより、手数料や利息はかかりません。
デメリット
- 高額な買い物の場合、一度に大きな出費が必要となり、家計に負担がかかることがある。
このように一括払いには利息がかからないというメリットがある反面、翌月に大きな支出が発生するというデメリットがあります。
リボ払いとは?
前述の通りリボ払いは、クレジットカードで購入した代金を毎月一定額ずつ支払う方法です。返済額が一定なので家計管理がしやすい一方で、手数料(利息)が発生し、支払い総額が増える可能性があります。
鈴木さんがクレジットカードで10万円のテレビを購入し、リボ払いを利用して毎月1万円ずつ返済するとします。この場合、年利15%の手数料がかかるため、最終的な総支払額は元本10万円に加えて手数料が加算されます。
デメリット
- 手数料(利息)が発生し、総支払額が増える。
- 返済期間が長期化する可能性があり、元本がなかなか減らないことがある。
一括払いとリボ払いの比較
では次に、一括払いとリボ払いを比較してみますね。
支払いタイミングの違い
一括払い: 購入代金を翌月に一度に全額支払う。
リボ払い: 購入代金を毎月一定額ずつ分割して支払う。
手数料の違い
一括払い: 手数料や利息は発生しない。
リボ払い: 手数料(利息)が発生し、総支払額が増える。
家計管理の違い
一括払い: 高額な買い物の場合、一度に大きな出費が必要。
リボ払い: 毎月の支払い額が一定で、家計管理がしやすい。
返済期間の違い
一括払い: 翌月に一度に全額を返済する。
リボ払い: 返済期間が長期化しやすい。
いかがでしょうか。こうして比較してみると、どちらが自分に合った支払方法なのかがよくわかりますよね。大事なことは、「リボ払いと一括払いは、それぞれの特性に応じて使い分ける」ということ。
では次に、どんな場合にはどっちの支払方法を選ぶべきかについて比べてみましょう。
一括払いが適している場合
- 購入金額が比較的少額で、翌月に一度に支払うことができる場合。
- 手数料や利息をかけずに利用したい場合。
リボ払いが適している場合
- 高額な買い物をする際に、月々の支払いを分散させたい場合。
- 毎月の支払い額を一定にして、家計管理をしやすくしたい場合。
リボ払いと一括払いの違いを理解することで、自分の支払い状況や目的に合わせた適切な方法を選ぶことができます。手数料や利息の負担を考慮しながら、賢くクレジットカードを利用しましょう。
リボ払いの利息計算方法
では次に、ちょっと細かい話になりますが、リボ払いでショッピングした場合の総支払額の計算方法について説明します。
リボ払いを利用すると、購入した商品の代金を毎月一定額ずつ支払うことができますが、その際に発生する利息についての理解が重要です。利息は支払い総額に大きく影響するため、正確に計算方法を知っておくことが必要です。この記事では、リボ払いの利息計算方法について詳しく説明します。
リボ払いの利息は、主に以下の手順で計算されます。
- 月々の支払い額から利息を差し引く
- 残りの金額を元本から差し引く
- 翌月の元本に対して利息を再計算する
利息の計算は日割り計算されることが多く、年利を基に計算されます。ここでは、具体的な例を用いて利息の計算方法を説明します。
利息計算の例
- 購入金額(元本):10万円
- 年利:15%
- 月々の支払い額:1万円
step
1月々の利息を計算する
まず、年利15%を月利に換算します。
月利 = 年利 / 12 = 15% / 12 ≈ 1.25%
step
2初月の利息を計算する
初月の利息は、購入金額10万円に対して月利1.25%をかけて計算します。
利息 = 10万円 × 1.25% = 1250円
step
3初月の支払い額から利息を差し引く
月々の支払い額1万円から利息1250円を差し引きます。
元本返済分 = 1万円 - 1250円 = 8750円
step
4元本を更新する
初月の支払い後の元本は以下の通りです。
新しい元本 = 10万円 - 8750円 = 9万1250円
step
5翌月の利息を計算する
翌月の元本9万1250円に対して月利1.25%をかけます。
翌月の利息 = 9万1250円 × 1.25% = 1140円
step
6翌月の支払い額から利息を差し引く
翌月の支払い額1万円から利息1140円を差し引きます。
元本返済分 = 1万円 - 1140円 = 8860円
step
7元本を更新する
翌月の支払い後の元本は以下の通りです。
新しい元本 = 9万1250円 - 8860円 = 8万2390円
このように、毎月の支払い額から利息を差し引いた残りが元本の返済に充てられ、元本が減るごとに利息も減っていく仕組みです。
利息計算のポイント
- 利息は元本に対して計算されるため、元本が減るごとに利息も減少します。
- 返済期間が長くなるほど利息の総額は増加するため、早期返済を目指すことが重要です。
- カード会社ごとに年利や計算方法が異なるため、契約内容をしっかり確認することが必要です。
リボ払いの利息を抑える方法
リボ払いの利息はトータルで見ると高額になります。ではリボ払いの利息を抑える方法はないのでしょうか。次にリボ払いの利息を抑える方法について簡単に解説します。
繰上げ返済を利用する
元本を早く減らすことで、利息の負担を軽減できます。
毎月の支払い額を増やす
毎月の返済額を増やすことで、元本の減少スピードが速まり、利息総額が減ります。
年利の低いカードを選ぶ
事前に年利の低いカードを選ぶことで、利息負担を減らすことができます。
ポイント
リボ払いの利息計算方法を理解することで、総支払額を正確に把握し、計画的に返済を進めることができます。利息負担を軽減するためには、早期返済や適切なカード選びが重要です。賢くリボ払いを利用して、無理のない返済計画を立てましょう。
まとめ
賢く使えばリボ払いも家計にとって大きな助けになります。とはいえ、一度リボ払いを使ってしまうと実際にはなかなかそこから抜け出すことは難しいと思います。
できるなら、リボ払いを使わなくても良い買い物の仕方を心がけるようにしましょう。
また、すでに「リボ地獄」に陥っており、「家計が火の車」になっているという方は債務整理を検討する時期かもしれません。こちらの弁護士事務所は債務整理の実績の多い事務所ですので、一度相談してみることをオススメします。