コラム

【危険!!】給与の前払いでお金を借りられるって本当!?

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給料日までまだ何日もある・・・

でもお金がもうない・・・

他に借りれるところもない・・・

そんなときに「給料を手っ取り早く現金にする方法があるよ」と言われたら、あなたはどう思いますか?

それがこれら説明する「給与ファクタリング」というものです。

しかし、給与ファクタリングには重大なリスクと問題点があります。以下にそのリスクと問題点を挙げていきます。ぜひ参考にしてみてください。

給与ファクタリングのリスクと問題点

給与ファクタリング、つまり給料の前借りサービスには次の4つの問題点があります。

高額な手数料と利息

給与ファクタリングを提供する会社は、現金を即座に提供する代わりに高額な手数料や利息を取ります。これにより、将来的に受け取る金額が大幅に減少し、実際に手元に残る金額が少なくなります。

手っ取り早くお金を得られる代わりに、多くの手数料を取られてしまうというわけです。

経済的負担の増加

将来の給与を先に手に入れることで、一時的に現金を得られますが、その代わりに将来の収入が減少します。これは、次の給与日に受け取る額が減少することを意味し、経済的負担が増える可能性があります。

財政的な悪循環

給与ファクタリングを繰り返すことで、継続的に将来の収入を前借りすることになり、財政的な悪循環に陥る危険性があります。

一度、給与の前借りサービスと利用すると、次の給与日までに新たな借金をする必要が生じることが多く、その結果として借金が雪だるま式に増えることがあります。

法的および倫理的問題

給与ファクタリングは一部の国や地域では違法とされる場合があります。また、法的にはグレーゾーンであり、消費者保護が不十分な場合が多いです。これにより、利用者が不利な契約を結ぶリスクがあります。

給与ファクタリングに関する最高裁判決(2023年2月20日判決)

給与ファクタリングに関する2023年(令和5年)2月20日の最高裁判決は要約すると次のような内容でした。

  • 給与ファクタリングが貸金業法および出資法に違反する「貸付け」に該当する。
  • この判決の要旨は、給与ファクタリングが形式上は賃金債権の譲渡として行われるが、実際には高金利での貸付けと同等の効果を持つことから、違法な貸金業と認定される(この事案では40%の手数料を取っていた)。
  • このため、給与ファクタリングを行う事業者は無許可のヤミ金と見なされる。

最高裁判所判決全文

上記の判決を読むと、給与ファクタリングサービスを提供している会社(以下、「A」とする)は、それが「債権譲渡」であると主張していましたが、サービスを利用した契約者(以下、「B」とする)が勤務する会社に対して給与を請求することができたわけではなく、Bから手数料を差し引いた金額の支払いを受けていたことから「貸付業」とみなした、というものです。

給与ファクタリングサービスを提供している会社が、もし貸金業登録をしていないなら、あるいは貸金業登録をしていたとしても貸金業法及び出資法に違反しているなら「闇金」となります。闇金からお金を借りるとしたらそれは非常に危険なことと言わざるを得ません。

代替案を考えましょう!

それで、給与ファクタリングの利用を検討する代わりに、以下のような他の方法を考えることをお勧めします:

  1. 家族や友人からの借入:金利がかからない、または低い金利で借りることができます。
  2. 金融機関の融資:銀行や信用組合が提供する個人ローンの方が、一般的に金利が低く、安全です。
  3. 支出の見直し:一時的な支出の削減や不要な物の売却などで資金を調達できる場合があります。
  4. 専門家への相談:ファイナンシャルプランナーやカウンセラーに相談して、長期的な解決策を見つける手助けを得ることができます。

給与ファクタリングは緊急時の一時的な解決策として考えがちですが、そのリスクと長期的な影響を十分に理解した上で、慎重に判断することが重要です。他の選択肢を検討し、できるだけリスクの少ない方法を選ぶようにしましょう。

万が一、給与ファクタリングを利用し不当な取り立てに会って困っている・・・という場合には、取り立てや嫌がらせを法的にストップさせることができる専門家のサービスを利用するようにしましょう。


  • この記事を書いた人

マサ(行政書士・FP)

現役の行政書士・FP(ファイナンシャルプランナー)、そして恥ずかしながら元 司法書士受験生です。病気のために働けなくなり、債務整理をした経験を持っています。 今の世の中、誰もがそんな経験をするかもしれない・・・私の経験がそういう方々のお役に立てたらうれしいです。

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